【熊猫たま×飯山】訴状公開騒動…初期対応に思う事
↑こちらで熊猫たまさんの飯山さんの「訴状公開動画」と「対応動画」に対して初期対応に強い疑問があったので投げかけてみました。
また、なるほどさんはそもそも訴状の公開に関して軽く批判されていました。
橋本琴絵氏のスケジュールは突っ込みどころ満載です。
https://youtu.be/UVKm18fBltU?t=3758
↑このライブの1時間の所あたりでしょうか。
「訴状は調べようと思ったら調べられるが、それをみだりに公開するのは違う」という内容だったかと思います。こちらはプライバシー権の問題という事かと思います。
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従来型のプライバシー権
2024.10.28
前述のとおり、プライバシー権を明文で定める法律はなく、判例や学説により憲法13条に定める人格権の一部として認められています。
裁判所が明確にプライバシー権を認めたのは、1964年東京地裁で出されたいわゆる「宴のあと」事件です(この事件の概要については「宴のあと事件」にて後述します)。
この事件において、東京地裁は、「私生活をみだりに公開されない権利」をプライバシー権として認めました。
これが、従来型のプライバシー権です。
東京地裁の判決は、プライバシー侵害の成立要件を次のように示しました。
以下の3要素を満たす情報(プライバシー情報)を正当な理由なくみだりに公開・公表すること
① 私事性|私生活の事実または私生活上の事実らしく受けとられるおそれのある事柄であること
② 秘匿性|一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められる事柄であること(心理的な負担、不安を覚えるとみられること)
③ 非公知性|一般の人々にいまだ知られていない事柄であることを必要とし、このような公開によって当該私人が実際に不快、不安の念を覚えること
なお、プライバシーが保護の対象となるのは、「私人が一般の好奇心の的」になることで精神的不安、負担、苦痛が生じることを防ぐためですから、公開された事実が真実でなくとも、「私生活上の事実らしくうけとられるおそれ」があればプライバシー権の侵害となりえます。
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訴状の当事者が「訴状の内容を一般の人々に知られたくない」としていたのに、第三者が勝手に公開したとしたらプライバシー権の侵害となりそうです。
また、訴状をブログ公表して裁判で負けた判例も出て来ました。
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陳述前の訴状を被告がブログ等で公表する行為が原告代理人弁護士の公表権及び公衆送信権の侵害を構成するとした東京地裁判決について
https://innoventier.com/archives/2021/09/12899
投稿日 : 2021年9月28日 最終更新日時 : 2021年9月28日
東京地方裁判所第40部(佐藤達文裁判長)は、本年(令和3年)7月16日、訴訟の被告が、受領した訴状を、第一回口頭弁論期日における原告による陳述の前にブログ等を通じて公表する行為は、訴状を作成した弁護士の著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)を侵害するものであるとして、被告に対し、著作者人格権侵害に基づく慰謝料2万円の支払いを命じる判決をしました。著作権については、侵害を認めたものの、慰謝料請求権の成立を否定しています。
訴状を公表されたことを理由に弁護士が当事者となって訴訟を提起することは珍しく、また、損害額も微々たる額ではありますが、企業法務においても参考になる部分があると思われるため、紹介します。
・別件訴状を複製して作成したデータをアップロードし,本件ブログ記事に同データへのリンクを張った被告の行為は,別件訴状について,公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信をするものであり(著作権法2条1項7号の2),未公表の別件訴状を公衆に提示(同法4条)するものであるから,別件訴状に係る原告の著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)侵害を構成する。
・被告は,裁判の公開の原則(憲法82条)や訴訟記録の閲覧等制限手続(民訴法92条)があることを理由として,訴状を非公表とすることに対する原告の期待を保護する必要性は低いと主張するが,裁判の公開の原則や閲覧等制限手続が存在することは,被告の行為が著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)侵害を構成するとの上記結論を左右しない。
著作権法40条1項は,「裁判手続(…)における公開の陳述は,同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き,いずれの方法によるかを問わず,利用することができる。」と規定しており,自由に利用することができるのは裁判手続における「公開の陳述」であるから,未陳述の訴状について同項は適用されない。
・裁判手続における公開の陳述については,裁判の公開の要請を実質的に担保するためにその自由利用を認めることにしたものと解すべきであり,かかる趣旨に照らすと,公開の法廷において陳述されていない訴状についてまでその自由利用を認めるべき理由はない。
別件訴状が公開の法廷で陳述されることにより,それ以降の自由利用が可能となるとしても,それ以前に行われた侵害行為が遡及的に治癒され,原告の受けた損害が消失すると解すべき理由はない。
・本件ブログ記事には,・・・「改めて訴状をいただいたことは大変遺憾です。」,「仮にBさんの感情を害するものがあっても受忍限度内であると考えます。」,「『デマを意図的に拡散した』かのごとく記載されたことについては,業界の大御所であるBさんからパワハラを受けたと感じています。」などと記載されており,その趣旨は,紛争状態にある別件訴訟原告から訴えを提起されたことについて,遺憾の意を表明し,あるいは訴状の内容の不当性を訴えるものであって,公衆に対し,当該訴訟や別件訴状の内容を社会的な意義のある時事の事件として客観的かつ正確に伝えようとするものであると解することはできない。
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陳述前の訴状の公開は弁護士さんの著作権侵害の判例があり、それ以降であっても裁判という限られた者のみに公開されるべき情報をインターネットで広く公開するのはよろしくない行為の様です。
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各論9(上訴その他)
https://www.shojihomu.or.jp/public/library/1299/0328kenkyukai-siryou1.pdf
2 当事者以外の者による訴訟記録の閲覧等について
⑴ 訴訟記録の閲覧について
当事者以外の者による訴訟記録の閲覧については,現行法は,何人も裁判所
書記官に対し,訴訟記録の閲覧を請求することができるとしつつ(法第91条
第1項),口頭弁論の公開が禁止されている場合には,利害関係を疎明した第
三者に限って,その閲覧を請求することができることとしている(同条第2項)。
そうすると,訴訟記録の全面電子化が実現した場合にも,口頭弁論の公開が
禁止されている場合を除き,当事者が閲覧する場合と同様に,事件管理システ
ムに自由にアクセスすることを認め,訴訟記録の閲覧を認めるという規律にす
ることも考えられる。
しかしながら,訴訟記録には関係者のプライバシー情報等が多く含まれてお
り,これをインターネット上に公開し,自由に閲覧させることには多くの問題
があり,我が国の国民意識からしても抵抗が少なくないものと思われる。また,
訴訟記録の閲覧のみを認め,複製(ダウンロード)は許さないという規律を採
用したとしても,スクリーンショットを撮るなどすれば,容易に頒布可能なデ
ータとなり,当事者のプライバシー等が害されるおそれがあるといえる。そし
て,現行法上,訴訟記録の閲覧等の制度を濫用して訴訟追行以外の他の目的(例
えば,広告や選挙運動)のために使用しようとする場合は,訴訟記録の閲覧等
の請求を拒絶することができると解されていることからすると,当事者以外の
者からの閲覧請求については,裁判所書記官の審査にかからしめる必要性も認
められる。以上のように考えると,当事者以外の者からの訴訟記録の閲覧請求
については,現行法(法第91条第1項)と同様に,「裁判所書記官に対し,
訴訟記録の閲覧を請求することができる」とするのが適当であるといえる(「2」)。
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一つ気になるのは飯山さんが公人か?という所でしょうか。
飯山さんはチャンネル登録者20万人近くのインフルエンサーであり、東京15区補選に立候補したため、公人か半公人か一般人か?を司法がどう判断するか?は難しい所です。
ただ、飯山さんご本人は不快を露わにした反応だったと思います。
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【飯山陽の訴訟について話します】全部で何件?日本保守党との関連は?!
〇動画説明欄
飯山陽の訴訟について、勝手に発信したり憶測を拡散させたりしている人がいるので、事実についてお話しします。
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動画説明欄にもこの様に記載がありました。
私は現職政治家であっても「公人だから好き放題やっていいんだ!」的に扱うのは微妙だと感じています。
そんなこんなを調べていたら熊猫たまさんが改めて謝罪動画を出されていました。
飯山さん本当に申し訳ありませんでした
「超えてはいけないライン」は視聴者の反応だけでなくリーガル的な部分でも危うかったと思いますが、踏みとどまられて良かったと思います。
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